ならば玲瓏なる覚悟を

えーと…ウチのおじいちゃんが入院したという話しは、
したと思います。
今日は、東京からはるばる父の弟にあたる、僕にとっては
叔父さんなる人が来訪しました。

凄く久しぶりに会ったけど、相変わらず元気そう…
に見えたけど、やっぱり親と同じ病気を抱えて居るそうな。

糖尿病です。
ご飯の前にはインスリンの注射を打たなくてはいけないそうで…。
それも大変ですよね…僕も他人事ではないけれど；；
とても明るくて冗談の好きな人で、僕にとっては、おじさんって
いうよりもお兄さんっていうイメージが強いかな…（笑）
もう、今年５０になるらしいんですけどね…（爆）


で、父さんと、叔父さんと、僕の三人で、主治医の先生と、
その上に居るチームの先生から、おじいちゃんの病状の説明を
３０分程度受けました。
先生はきっと、何で息子二人に、孫！？とか思ったでしょうけど…
僕は、男だったらこの家の跡取りになる筈だった人間だし、
おじいちゃんは生まれたときからずーっと一緒に暮らしていた家族ですから。
僕は、現実から逃げたりしません。
かといって、他人事だとも思って居ません。
だから、正面から、直接治療している先生から本当の話しを聴きたかった。
母づてに聴かされる、曖昧なオブラートに包んだ言葉なんてもう要らない。
昨日は、先生からの話しを母に遮られて病院を飛び出したんです。
お母さんは病院通いで忙しいから、家で家事手伝ってて欲しいとか、
車で病院まで送っていってとか…
都合の良いように使ってくれて、肝心な所では蚊帳の外にされてきた。
母の理由は、子供だから。傷つけたくないから。
気持ちは有り難いけれど、僕はいつまでも子供ではいられない。
それに、おじいちゃんの血を引いてるっていうプライドもある。
少なくとも母よりはおじいちゃんに近いし、心も通ってる。
だからこそ、蚊帳の外にされた時に悔しかった。
傷つけたくないからと遠ざけられる度に、本当の家族じゃないんじゃない
かと思い悩んで、涙を流した夜もあったくらいだったから。
血が繋がっていないなら繋がっていないで別に構わない。
だけど、嘘をつき続けられて来たのなら、それは許せない事だから。

でも今日は、おじいちゃんの息子に混じって話しを聴かせて貰った。
少し…満足したのかな。漸く家族の仲間入りをさせて貰った気がした。

でも、その話しは決して甘いものではなかったです。
今まで治療をしてきたけど、どの抗生物質の投与も有効ではなくて、
昨日から使っている種類の抗生物質が効かなければ、きっともう
長くは無い…むしろ先はもう殆ど無いという話しを聴きました。
症状が進んで、苦しくて暴れ出した時は、苦しくない様に、
人工呼吸器を付けて眠らせる方法と、そうはしない方法があると。
僕はよく、おじいちゃんと二人になった時に聴かされていた。
病院で管だらけになって生きているくらいなら、死んだ方が良い、
そういう話しを。僕もその言葉には同意していたし、僕自身がもし
そうなったとき、自分も同じ事を望むから。
僕の父が、先生に…「もし、この最後の抗生剤が効かなければ、
あとどのくらい保ちますか？」と単刀直入に訪ねた。
先生は、保って今週末までですとはっきり言った。

ただ、今回投与を始めた薬が有効で有れば、命を取り留める可能性が
高くなると言う。僕は希望を捨てたわけではないから、自分が出来る
事なら惜しみなく、なんでもするつもりだ。
今年の桜も、一緒に見るって約束したんだから。